Field note2006
2005.12.23〜24
ニュージーランド南島 中部カンタベリーの釣り
Text/渋谷 剛一

はじめてのニュージーランド
 NZ90便は定刻18:30に成田を離陸。飛行時間は約12時間。オークランド空港では麻薬犬のチェックがあった。そんなことは緑川氏も初めてという。入国審査でさらにスーツケースを開けてのウェーダーチェックだった。
緑川氏のも最近の使用から2ヶ月以上ということで消毒はなしになった。さらに、X線で検査を受けて、「フライは?」「食品は?」という質問を受けた。
 国内線でクライストチャーチに着いたのは17:00すぎ。ガイドのマーチンが迎えに来てくれたが、1時間の遅れで少々不機嫌のようだった。ガイドの車で空港から約40分のダーフィールドに向かった。
ニュージーランド南島 ロードオブザリングの景色が広がる
まずは初日
 6時5分前にガイドのマーチンが私たちの宿泊施設ダーフィールド・モーテルに迎えに来た。長旅の疲れはあったが、釣り支度は何とか間に合った。早速道具類をマーチンのハイラックスサーフに積み込み、雨の中を初日の釣り場へ向かう。
 ダーフィールドはクライストチャーチから車で30〜40分の距離にある小さな町。私たちが向かったのは南島のアルプス山脈の源流地帯、ダーフィールドから1時間余り車を飛ばした。

 強くはないが降り続ける雨の中、釣り支度を整える緑川氏に「そのネットでは小さすぎる」とマーチンが言った。川は急峻ではなく、広い河原の中をゆったりと気ままに流れを作っていた。大川ではないが、それでも渡渉には注意を要する。一見こんな浅い川に、ネットに収まらないほどの大物がひそんでいるのだろうか。

 マーチンは、瀬脇に焦点を絞ってアップストリームにキャストさせた。仕掛けはインジケータの役をするドライのカディスにウェイテッドニンフのドロッパー、さらにミミズ風のニンフフライのトレーラーである。

最初のヒットは
入川してそれほどたたないうちに来た。レインボー25cm。記念すべきニュージーのファーストキャッチだ。2尾目もまもなく私に来た。ガイドが先にレインボーを見つけて、流す筋目を指示してくれた。その落ち込みに近い、強い流れの中から姿を現した。#12サイズのドライにフッキングしてすぐにラインを引き出すほどのファイト、下流へ下流へと30mほど走った。最初の大物なので慎重にラインを扱うが、ラインが水中の岩にかかって動かなくなる。マーチンがラインを岩から外してくれ、下流側に待ち受けてネットですくい上げた。58cmのレインボーだった。
ガイドのこんなフライで釣れてしまった
ガイドのマーティンと私、喜びのショット
キャッチまでにどれほど、走られたことか
河原にはこんな花も咲いていた
緑川氏はその後、50cmクラスを1尾キャッチした。
 食事後、またもやビッグチャンスが訪れたのだったが、気がつかないうちにチャンスは流れと共に去っていった。マーチンが確信的に指示してくれたポイント上流にフライを落とし、ドラッグがかからないようにラインをリトリーブしながら流した。3度目に、流しきったフライをピックアップしようとしたときに、マーチンが大声を出した。どうやらピックアップ寸前にフライに出たらしい。しっかりフライを見てみていなかった。「あんたは見ていなかった。俺が言ったとおり、こんなモンスターが出たんだぞ。」とマーチンは強調した。

 緑川氏はその後順調にヒットして、50cmの大物サイズを2尾キャッチ、他にもフッキングが何回かあったようだ。
 折り返し地点から1時間ほど河原を歩き、マーチンの車まで戻った。大物は確かにひそんでいた。ポイントから次のポイントまでが離れているため、しばらく歩いて移動しなければならなく、帰途の距離もかなりのものだったが、大物に初日から会えた喜びで、足の疲れはさほど苦にはならなかった。
こんなちびレインボウを釣ってしまったと、わざわざ見せに来た緑川氏

翌朝も
マーチンは6時5分前にモーテルに迎えに来た。うってかわって綺麗な青空だ。車は今日も、山脈の峠越えの渓にむかった。約1時間で、国道が渓の近くに沿っている付近から入った。渓は昨日の広河原のフリーストーンとはおもむきを変え、日本の北アルプスお花畑を歩いているような美しい渓谷である。高山植物が群生し、色とりどりに咲き乱れていた。

 入渓した地点ですぐにマーチンが、レインボーを探し出した。昨日よりも狭い川幅の流れに身をおいて、流下してくる餌をのんびり待っている。緑川氏がねらって4投か5投目にドライフライにヒットした。50cmクラスの大物だった。良く晴れたこの日は基本的にドライフライの釣りだった。

 今日は、入渓地点からレインボーを探しながら釣り下がる。500mほど下がったところでまたもやマーチンが2尾目を発見。これもライズして餌を捕っている。
 岸の茂み近いところなので流しにくかったが、何とかフライを見つけて出てくれた。これも50cmクラスの綺麗なレインボーだ。マーチンが何度も「綺麗な色だ」とか「良くやった」などと言ってくれた。

 今日も距離にして3kmくらいは歩きながらのサイトフィッシング。その間、緑川氏は2尾を追加した。どれも綺麗なレインボーである。2日間マーチンについて釣ったが、やはり驚くのは彼の魚を探し出す眼力だ。これは、今回の旅の後半に出会ったガイドたちも同じなのだが、かれらは実に良く魚の付き場所を知っていて、ここという流れの中には必ずレインボーが身をひそめていた。
魚と一緒に走る!走る!緑川氏
ガイドのマーチンと緑川氏
 この日に入った渓の折り返し点でも、マーチンは魚を見つけ出した。これは岸寄りの障害があるポイントに入っていて、なかなかマーチンが言うようにフライが流れず、魚は気づいてくれない。あきらめようとするが、流れの横に立ってキャストし、すぐにラインを上流側にメンディングして、フライにドラッグをかけないようにとマーチンが指示してくれた。これまた、うまくいかないで苦戦している私のロッドでデモンストレーションして見せてくれる。と、レインボーはマーチンの流すミミズ・ニンフをくわえたのだった。

 ガイドの責任を果たした後は、自由にブラインドフィッシングで釣り登りって来るようにという指示だった。何尾かのレインボーを釣りながら車に戻ったが、午前中ほどの大物は来なかった。

帰途の車の中で、
私たちがブラウンを釣っていないことを思い出したのか、マーチンは「ブラウンがいる川があるんだが言ってみるか」と案内してくれた。その川はダーフィールドにも近い牧場の中を、水路のように流れている川だ。車を止めて、そっと橋から様子をうかがって「いるよ、やってみな」という。橋の上からのキャストで?と思いながら、見ると大きなブラウンが餌を盛んに捕っている。

 その魚は実に素直にフライをくわえ込み、深く潜り込もうとしてファイトをする。ラインを出されて橋の下に潜り込まれないように短くラインを巻きとり、やりとりを楽しんだ。マーチンはすでにウェーディングシューズを脱いでいたので、緑川氏がネットでランディングしてくれた。マーチンがカメラに撮ってくれた直後、ブラウンは持ち慣れない私の手から暴れ出し、「ドボン」という音を残して川に戻っていった。これは、私にとってニュージーランド最初のブラウントラウトである。大切な記念の一枚になった。
源流帯を生き残った勇姿
河原には花が咲きみだれていた
釣りを終えて、満足感にひたる私と緑川氏
最後に、こんなところでブラウンを釣るとは

2006年のあなたのフィールドノートをお待ちしています。
詳しい募集要項はこちらをお読みください。


Top page

Copyright(C) 1996- The Funtail Ltd. All right reserved.