Field note2005
8.16 tue.〜21 sun. 3〜10
ニュージーランド トンガリロリバー/レイクタウポ
Text & photo石川深雪

 昨年6月の惨敗から約1年、ようやく待ちに待ったニュージーランドの旅。湖から産卵に上がってくるレインボウを釣る、トンガリロリバーでの釣りだ。遡上の時期がここ3年ほどピークが3ヶ月ほど遅れているというので、今年はお盆休みに行くことにした。さて今回の旅は、天は味方をしてくれるのやら、、、。

昨年は雨が降りっぱなしで、増水、濁流だった川が、今回はなんと雨がほとんど降らずに渇水状態。スポーニングの時期に、こんなに水がすくなく、クリアなのは見たことが無い。魚も動いていないと言う。ライセンスを買いに行った釣具屋では、「雨が降って増水すれば、魚が湖から上がって、良い釣りができるんだけどねー。」と言って、ここ1週間の天気予報をウェブで見せてくれたのだが、「んー、ずっと晴れだね。」予報が当たらないことを期待しよう、、、、。

とりあえず初日
は、トラウトセンター裏のプールで総勢5人で釣るが、濱武氏がレインボウを一匹キャッチしたのみで、他はアタリもなし。
おだやかなレイクタウポ
トンガリロリバーの流れ込み「デルタ」にウェーディングして釣った、レインボウと緑川氏
まずまず2日目
はボートでレイクタウポに出て、トンガリロリバーの流れ込みに3人降ろしてもらい、ウェーディングしての釣り。他の2人は、毎回お世話になっているグラハムおじさんとボートでの釣りとなった。湖でもこのところ釣れていないらしく、ボートは他に1艘見ただけ。いつもなら、この流れ込みのデルタには4〜5艘はいるというのに。
ボートからは私と和佳子氏と1本づつ、よいサイズのレインボウをキャッチ。ウェーディングチームも、緑川氏が1本キャッチ。釣れない、釣れないと言われながらも、まずまずの釣果か、、、。

まだまだ3日目
は和佳子氏と二人でまたボートに乗せてもらったが、この日はなんと全くアタリもなし。レイクタウポでもこんな時があるなんて、、、。
他の3人は、クラタウリバーの流れ込みにウェーディングして、緑川氏が1匹キャッチ。その後、トンガリロリバーの下流に移動して、これまた緑川氏が5匹ヒットさせたうち1匹キャッチ。釣りますなー。
グラハムおじさんのボートに乗せてもらい、おなじく「デルタ」で釣った。私と和佳子氏
ということで、そろそろ4日目
は釣りも中日にさしかかり、これはなんとしても緑川氏のミラクルにあやかって、魚影の濃い下流部で釣ることにした。パーキングからは、ブッシュの中をくねくねと歩き、川に出る。アクセスしにくいので、あまり釣り人もいないが、すれ違った二人は60cmほどのニジマスを2匹ぶら下げていた。
昨日、緑川氏が釣った小さなプールの岸辺には、イクラがぽろぽろと落ちていた。さては、さっきの二人組はここで釣ったに違いない。すっかり先を越されてしまったか、、、。でも、目の前の浅い流れには、レインボウたちがごっちゃりとついていた。これなら、釣れないわけはあるまい。手前から順番にグローバグを流してみたが、魚はフライをよけるばかり。んー、これはどうしたことか。
トンガリロリバーの下流部。倒木が多く沈んでいて、ワイルドな風景
しばらくするとその先のプールで釣っていた、ファンテイル店主がニコニコと、銀ピカのレインボウを下げて戻ってきた。倒木が重なり合うように沈んでいる、深い流れで釣ったという。そこは高さ3mほどの崖の上からキャストし、沈んでいる倒木の間をわずか3mほどの距離しか流せない、やりにくいポイントだった。店主がそこでもう一度、チャレンジすると、インジケーターがスコッと沈み、青い水の底から白い物体がスーッと水面に上がってきたかと思うと、ど〜んとジャンプ。その瞬間、フライラインがひらひらと宙を舞ったのだった。は〜、今のは大きかった〜。

そのまた先には流れがゆるくカーブし、岸が砂浜のようになっているキャストしやすいプールがあった。緑川氏が流れの中ほどでレインボウをキャッチ。私もそのすぐ下流の対岸付近を流すが、水中に倒木が隠れていて、根がかりばかり。根気よくフライを結びなおしては、流してみるがアホのように根がかるばかり。んー。私ってバカ、、、。
プールの上流でまたもや緑川氏が追加の1匹をキャッチ。いいなあ、、、。
この先の崖下のプールで釣ってきた店主のしんちゃん。やっと釣れた!
小ぶりだけれど、シャープな体のレインボウ
そつなくランディングする緑川氏
なかなかよいサイズ、弾丸のようなレインボウ。
いよいよ5日目
残すところあと2日。まだ川で1匹も釣れてない。今日こそ、釣っておかないと!昨日と同じ、トンガリロの下流部に入った。それぞれが、思い思いのプールに散らばり、釣りはじめた。濱武氏は、昨日他の釣り人が魚を何匹もかけていた対岸のプールに的を絞り、川を渡り目的地へと一直線。私は、下から順番にプールを流して回るが、今一つ、釣れそうな気配はない。

崖下の深いプールで、またチャレンジしてみる。深いブルーの水底には、太い倒木の影に大きな魚の影もちらほら見えた。ヒットか根がかりか、ふたつにひとつ。フライをいつまでもダラダラ流していると、すぐに根がかってしまう。根がかったら最後、またティペットとフライの付け直しだ。倒木の間をうまくフライが流れると、インジケーターがすっと沈んだ。アワセルとロッドがぐっと曲がり、考える間もなくフッと軽くなってしまった。
アワセが遅かったのか、弱かったのか、フライがはずれてしまった。

対岸では、「ひょー!かかったあ〜。」とウェットで釣っていた濱武氏が奇声を上げている。釣れているみたいだ。
気が狂いそうなほど、根がかりしては、ティペットとフライを付け替え、(といっても、この日は店主がサポートしてくれたので、黙々とつけ替えてくれたのだが。)流すと、またもやインジケーターがスコッと沈んだ。オレンジのインジケーターが水深1m付近までもぐり、そのまま上流へと走っていった。インジケーターからフライまではティペットが3mもあるというのに。魚は水深4m付近を、水圧、水流をものともせずに突っ走り、あっと言う間に、倒木の先へと消えていった。ティペットがぷっつりと切れた。今、つけかえたばかりの1Xのティペットが、、、、。

対岸の濱武氏の「また、かかったあ〜。」とい声がうつろに聞こえる中、今、いったい何が起こったんだろうと、二人でしばしぼう然。トンガリロのレインボウの力強さを改めて、思い知らされ、「なんだかイイモノ見せてもらいました。」という気分だった。

その後は、店主がフラットな流れでいいレインボウをキャッチ。緑川氏が川を渡る際に、転んでロッドを折ってしまったので一旦引き上げることに。
午後は、街中を流れるアクセスの楽なハイドロプールで釣ることにした。
わずかな深みをウェットで攻める
吊り橋の上から下流を見る。「メジャージョーン ズプール」とその先に「ハイドロ プール」がつづく
さすがしんちゃん!
吊り橋の上からは、魚影がはっきりと見える
川に架かるつり橋からは、流れの中に魚影がいくつか見える。状況がいいときには30匹程度が確認されるそうなのだが、3つほどしか影が見えない。(魚体が60cm程度と大きいのでよく見えるのだ!)いつもは深くて立ちこめないハイドロプールも、立ち込んでなんとか対岸近くまでキャストできる状態だ。
夕方までフライを流して、対岸で一人釣れたのを見ただけで、この日もとうとうノーフィッシュ。
とうとう最終日
もうジタバタしても始まらない。泣いても笑っても、年に1度のトンガリロでの釣りは今日で終わり。最後ぐらい、ゆっくりグラハムと一緒に釣りをしたいと、上流のブループールに皆で出かけた。大きなゆったりとした流れだったのが、昨年の大雨で200mほどの長い瀬のプールに変わっていた。

プールの上流では、おじさんが一人魚をかけていた。お、魚はいるんじゃん。間を空けて、下流にそれぞれ入った。流れの中ほどまで立ち込み、対岸の少し深くなっている流れに向かってキャスト。瀬といっても、川幅と深さはそこそこあり、身長157cmの私がウェーディングするのに精いっぱい。とびきり重いニンフをつけてキャストするので、全身をバネにしないと飛ばない。川の中で背伸びをすると、体が浮いて流されそうになる。が、なんてったって、今日は最終日。ヤケクソです。溺れたって、流されたって、何が何でも釣ってやるんじゃー。

上流で釣っていたおじさんがまた魚をかけた。「なんだよー、一人で何本も釣ってないで、場所交替してよー。」と心の中で叫ぶ。おじさんは、グラハムと知りあいらしく、話しをしていた。しばらくするとグラハムがこっちへ来いと手招きをした。「キャストがうまいから、おまえにフライをくれるそうだ。」
さっき何匹も釣っていたおじさんがフライボックスから、小さなフライを取りだして手のひらに乗せてくれた。なんだ、良い人じゃないかー。げげっ、くれたフライはなんと、14番のフェザントテイル フラッシュバック ニンフ。こんな小さなフライで釣ってたの!?
私たちときたら5日間、大きなグローバグを流しまくっていたのに! こんな小さなリアルフライにしか反応しないなんて。何ということだ。このスポーニングの時期に10回ほど通っているが、まだまだ知らないことばかり、、、、。恐るべしトンガリロ。
フライをくれたおじさんは、クリールタックルショップのスタッフだった。どおりでキャストも釣りも上手いわけだ。川の中で泳ぎながらキャストする、小さな日本人を哀れに思ったのだろう。

早速、もらったフライにチェンジ。2投目でインジケーターがゆっくり沈んだ。アワセルと、根がかりのような感じ。なんだよー、根がかりをはずそうとロッドをあおってラインを引くと、ぐ〜っと近寄ってくる。あれ?倒木か?ん?動いてる、魚だー!
フライが小さいせいか、魚はフライが掛かっていることに気がつかないでいたようだ。ようやく、釣られていることに気がついた魚は、身をくねらせはじめたが、ここで逃してなるものかー。やっと釣り上げたのは、赤い体色の立派なレインボウだった。

湖から上がってきて、川に長くいる魚は水生昆虫を捕食していたのだった。トンガリロのレインボウは産卵すると、ほとんどがその一生を終えるというのだが、川に上がったサケも実は水生昆虫を食べていたりするんだろうか、、、、。

今回は、天気に恵まれすぎ、晴天つづきで渇水の中の釣りで、今まで体験したことない状況だったが、まだまだ知らないことばかりだと痛感。なかなか釣れなかったけれど、それなりにおもしろかった。何より、今まで苦手意識が強かった、超ヘビイニンフがしっかりキャストできることが最終日に判明し、すっかり自信が持てたことがうれしかった。6日間、まるまる釣りもできたし、風邪をひいてゲホゲホ言っていた昨年に比べれば、上出来の旅でした!
天は我を見放さず〜!
14番のフェザントテイルニンフで釣れたレインボウ
美しいレインボウカラーの体色

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