Field note
2004
2004.6.21〜25 
New Zealand 北島 Tongariro River
TEXT 石川深雪

 今年もニュージーランド北島の真ん中、レイクタウポにそそぐ川「トンガリロリバー」に遡上マスを狙いに出かけた。今年は雨が多く、2月には100年ぶりの大雨で大洪水になり、川の姿はすっかり変わってしまった。今まであった、数々のトロフィーサイズのトラウトたちをキャッチした釣り人たちの思い出に残るプールは姿を消し、新しい流れとともにまた新たなプールの数々が誕生していたのだった。
天候が安定しないので、虹がよくかかっていた
 この時の洪水で、昨年8月にニューオープンしたばかりのトラウトセンターも浸水していまい、カーペットがドロドロになってしまった。かろうじて貴重な展示品は難を逃れたのが幸いだった。子供たちに釣りを体験させるプールは、浸水で泥をかぶり、遡上マスを観察できる支流の施設も壊れてしまった。復旧作業を進めている様子が、タウポエリアの釣りの状況を知らせる季刊誌に掲載されていた。大水が出るたびに、よく被害にあうものの、トンガリロリバーの自然の営みによって、釣りも楽しませてもらっているのだから、これも自然の一部として、しかたがないことか。
一昨年、同じポイントで5本のレインボウが出た、ミラクルなストリーム「ヒネマイアイア ストリーム」もチョコレート色。釣り人も誰もいなかった。釣れていれば、釣り人であふれているはず、、、。
雨の中「ワイタハヌイ リバー」を釣るが、さっぱりだめ。河口で釣っていた濱武氏は、1匹かけるが、転んでしまいあえなくブレイク。 国道1号線沿いの「ワイタハヌイ リバー」の河口。大雨で、河口の形がすっかり変わっていた。湖も濁流が流れ込み、釣りにならず、、、。
 さて、現地に到着してみると、これまた先週末にまとまって降った大雨のおかげで、川はどこも濁流と化していた。雲行きも怪しく、予報では滞在中の5日間はずっと雨か曇りという。はー、、、。よっぽど、私の日頃の行いが悪いのか、私ときたら行きの飛行機内が乾燥していたため、ノドを痛め風邪をひいてしまった。とほほ、、、。

 それでも、なんとか釣りになる場所を求めて、雨の中、右往左往するが、自然には逆らえないもので、3日間ほどは誰も釣果なし。有り難いことに、ニュージーランドの天気予報は当たらないというのが常で、4日目にようやく晴れ間が見え、川も少し濁りがとれ落ち着いてきた。午前中にボートでレイクタウポに出て、ようやく1本銀ピカのレインボウをキャッチ。午後に、トンガリロリバーへ出かけた。
つかの間の晴れ間、空は青く、牧草地は緑に輝く。
1号線沿い「タウランガタウポ リバー」のほとりにあるタックルショップとカフェ「ハングリー トラウト カフェ」。ガソリンスタンドとデイリーショップも併設。 ボートランプからボートを下ろす
湖面に遊ぶブラックスワン。 ようやく、湖に出られた。ここにも虹がかかっていた。

レイクタウポで釣れたレインボウのスモーク。身が真っ赤で美味!! デザートはルバーブとアップルのパイ。
トンガリロリバー沿いの宿「サザンコンフォート」。元シェフのロイスが腕をふるう、ディナーは絶品。ゲスト専用のリビングには暖炉もあり、リッチな気分で過ごせる。

Southern Comfort Homestay
35Taupahi Road, PO Box312 Turangi, N.Z.
Tel & Fax 064-07-386-7172
http://www.homestaytaupo.co.nz
チキンと野菜をオーブンでこんがりと焼いたメニュー。

 1号線の橋がかかったすぐ下のプール「ブリッジプール」では、20人ほどの釣り人が入っており、魚も釣れだしていた。道路から分かりやすいポイントで、全長200mほどの大きなプールなので、湖から上がってきた魚もとどまりやすく、人が多い人気の場所だ。ただし、大勢が集まるのでマナーもよろしくない。ニンフ、ウェットともに、少しずつ移動しながら釣らなくてはいけないルールがあるのに、よいポイントから全く動かない人が少なくないのだ。一つのプールを皆でシェアするための、公然のルールなのだが、遠くから来た釣り人は、とにかく釣りたい一心で、マナーも考えられないらしい。

 このような人気のプールでは、気持ち良く釣りができないので、なるべくアクセスしにくいプールで、流れが強い場所の方が、元気の良い魚を気持ち良く釣ることができる。が、いかんせん、今回は流れが以前とすっかり変わってしまっている。プールを探している時間はもうない。地元の釣り人ですら、2月以降、川が落ち着かないので釣りに出てないという。よって、上流のプールの様子はわからないという。フィッシングガイドも、さすがに今回は状況が悪いらしく、「ガイドしてやるよ。」とも言わないのだった、、、。
この日の午後は、一人がようやく一匹をキャッチ。周りの釣り人はもっと釣れていたので、翌日の最終日に期待することにした。
昨年までウェットを流すのには最高のプールだったが、今年はヘッドとテール部分のみ、ニンフで釣れるプールに
向こう岸の深みでたてつづけに、3本ヒット。もっと岸よりを狙えれば、さらに釣れたかも、、。
丸まる太ったレインボウの引きは最高!2本目からは、私も引き味だけ楽しませてもらった。
 最終日の午前中は朝6時から、川へ出かけたがもうすでに、プールは満員状態。河原で順番を待っても、入れてもらえる様子はなく、午前中は惨敗に終わってしまった。
午後は、川を渡ってその下のプールへ。去年までは、ウェットを流すのには最高のポイントだったプールだが、今年は洪水で底の様子がすっかり変わってしまったらしい。ほどよい岩がごろごろして、魚の着き場がたくさんあったのに、今年はフラットで流木が多く沈んでいるようで、フライを根がかりさせるばかり。

 プールの頭とテイルの部分で、ニンフで釣っている人が魚を上げているだけだ。プールの頭が空いたので早速、ファンテイル店主がニンフで攻める。手前の巻き返しよりも、向こう側のバンクよりの深い部分を流すとインジケーターがスコッっと消えた。銀色でパンパンに太ったレインボウだった。これこれ、こんな魚を釣りに来たのだ。同じポイントから立て続けに3本同じサイズのレインボウが出た。もっと奥深くを流せれば、きっとまだ釣れるだろうが、届かない。
 
湖から遡上してきたばかりのフレッシュラン。メスのレインボウ。
 私などは、同じポイントを流しても、全然フライが届いていない。流れが大きいので、向こう岸の強い流れまで届かないのだ。手前から深くなっているのでウェーディングもできないし。朝一番だったら、もっと手前の浅い流れにも魚がついていたかもしれないが、何人もの釣り人がフライを流した後では、魚も深いほうへ移動してしまっているだろう。
去年はタイミング良く、浅い流れに魚がいるときに、狙うことができたので、難なく釣ることができたのだが、トンガリロリバーの難しさをまたまた実感してしまった。

 それでもなんとか最終日に、湖から遡上してきたばかりの力強く美しい魚を見られたので、今年はこれで勘弁してやることにする。(何に勘弁してやるのか?)
 ここ3年間のデータでは、なんと遡上のピークが8、9月に移行しているという。今までは6月がピークだったのに。これならば、8月の夏休み中に訪れても、きっと良い釣りが楽しめるのではないだろうか? 皆さんにはぜひ、たっぷりと休みをとって出かけていただきたいものです。
満面の笑み。我がファンテイル店主の石川信一。やっと面目も保ったのだった。
いかつい顔のオスのレインボウ。
1日ひとり3尾までキープできるが、重くて持てないので2尾だけキープ。この日の晩、ムニエルにしていただいた。ほくほくで肉厚の身、おしかった。
今回は天候に恵まれなかった。やはり2週間はほしいところか、、、。 街道沿いの小さな町にあるパブ。

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