Field note2004
2004.10.30〜11.4. 北海道 登り雨鱒
釧路川支流、茶路川、音別川、阿寒川、阿寒川支流
text 緑川淳
気温 ℃前後 水温 ℃

 以前から、秋の11月には道東の各河川に雨鱒が遡上し、その群れに当たれば60cmから80cmの雨鱒が、それこそ群れていて次々に釣れるという話しを(話しは、ハナシだろうと)聞いていた。しかしその時期はなかなか休みが取りにくいことと、具体的な釣り方等がはっきりしなかったので、これまで行く機会がなかった。今年は、10月はじめの阿寒湖の遡上雨鱒と川のニジを釣る計画が流れたので、それではと少々無理をしてでも出かけることとなった。
冬枯れの河畔
 事前情報では、休みが取れた日にかけてちょうどいい頃になりそうで一安心する。どうやら遡上雨鱒は、川に入ってしばらくはゆっくりと体を慣らしながら上流を目指し、その間はあまり餌をとらずにいるため、やっと小さめのニンフなどを使って釣れるだけのようだ。そして中流域からその上で産卵期にはいると、今度はエッグフライでかなりの高率でヒットしてくるようになる。そして産卵が終わるとゆっくりと下りはじめ、下流の大きな淵で群れるようになり、そのころまた回復のためにニンフを活発に取るようになってくるらしい。そして翌年の春の増水期には、大食いをする時期があり、広い下流域の幅いっぱいに遠投して底をストリーマーで引いてのダイナミックな釣りになるようだ。そのときにはダブルハンドで思いっきり遠投するほど、確率が高くなるという。

 いまだその生態がはっきりしていない雨鱒の行動パターンだが、釣り人たちによって少しずつわかってきているようだ。しかし、最近の登り雨鱒の注目度の上昇(特にルアーマンに注目されているようだが)によるマイナスの影響が心配される。何せ100%ネイティブな天然魚なのだから。そんなことを考えながら出発になる。
最初の取込みは慎重に、慎重に、、、
11月1日
 今回はまず、鮭釣りもおこなわれている茶路川を訪れてみる。鮭はもうほとんど産卵が終わり、下流部に少し残っているが釣り人の姿はない。河口からしばらく川沿いに上がった中茶路あたりからが雨鱒の群れが入っているという情報をもらっていた。そこでダンダカの橋近くに車を止め準備に入る。用意したタックルは、HardyのTaupoという10ftで#7のバンブーにエクステンションハンドルを作ってもらい、セミダブルとして使う。リールはアメリカのカリフォルニア製のトンプソンリールに、リオのミッドスペイ7番ラインを巻く。リーダーは8ポンドクラスのモノフィラを、フライラインに付けたループに直結しそのループに大きなインジケーターも付ける。そしてフライは#10くらいの大きなエッグフライだ。フライにはノーウエイトで、リーダーに3Bクラスの大きなスプリットショットをかませる。
慎重に取り込んだ、最初の一匹。思いがけず、大物でびっくり
 同行のS氏が早くも準備が終わり、車のすぐ先のカーブに入りキャストをはじめたところ数投目にヒット!こちらはまだ準備が終わっていない。大きいようで腰を低くしてためている。何せどんな魚なのかまったくわからないのだから慎重になってしまう。程なく上がってきた魚は、間違いなく雨鱒。それも良い型だった。二人でびっくりしてしまう。

 そして下流にいくとカーブや淵に魚が入っているのが見える。しかしその魚はあまりフライに反応せず、どうもペアを組んでいる真っ最中のようだ。そして今度は橋の上流へ向かい、かなり速い流れの落ち込みと早瀬のポイントに入る。そこはちょっと目には落ち込みの脇くらいしか魚がとどまっていられないようにしか見えないが、なんとその速い流れの中にフライを流すと、驚くことに次々にヒット。しばらくそこで二人で楽しむ。そして最後にもう一度下りながらフライを流すと、夕方のためか昼間は反応がなかったポイントからも魚が出てきてその魚影の濃さにびっくり。
セミダブルにしたバンブー「タウポ」で釣った、良型のアメマス
夕方はこのサイズが入れ食いだった! 支流のスモールストリームで釣った、ニジマス

弟子屈の町中で釣った、コンディションのよいアメマス
弟子屈の町中でも、おもしろいように釣れた!
11月2日
 次の日は、音別川へ出かける。こちらも河口からしばらく上り、二俣のあたりがいいということであった。今度は、シングルハンドでやってみることにする。入ってしばらくは反応がなかったが、下っていくうちにやはり淵に魚が入っていて、いくつかはヒットしてくる。エッグフライの色はオレンジ、黄色、ピンクと使ったが特にどれがということはなかった。ただ、ひとつのポイントに同じ色を流し続けると飽きられるのか、色を変えるとまたヒットしたりする。

 そして、しばらく下ったところに大きなカーブと倒木などがたまったポイントがあり、そこで倒木沿いにフライを流すと浅い流れにもかかわらず、次々とヒットしてくる。サイズはだんだん小さくなるのだが、それでも40cm以上はある。そして日が少しかげってくると、本当の入れ食い状態になり、まさにワンキャストワンヒット!僕のリーダーは弱って切れてしまい途中でやめてしまったが、S氏はいったいいくつヒットさせたかまったくわからないほど。
この瀬で連続ヒット!!
 釣れてくる魚は、産卵が終わり痩せた魚と、まだ卵をもった元気な魚と両方がいる。そして雨鱒はあまり婚姻色が出ない魚で、雄のあごの周辺が黒ずんでいるくらいであった。またなぜエッグフライを食べてくるのかはわからない。鮭の産卵の後を追っているのなら食べているのだが、今回の雨鱒のポイントには鮭はいない。そして、けっしてエッグフライを飲み込んでしまう雨鱒がいない点も不思議で、すべて口の周辺にフッキングしているのである。やはり、鮭類がイクラを口にするのは、流れ下ってくる我が子である卵を拾って戻そうとする本能なのだという説を信じたくもなってしまう。
かわいいエッグフライをくわえた、アメマス
 今回初めて出かけた晩秋の道東だが、紅葉は最後のカラマツのすばらしい紅葉を見ることができ、また秋のおいしい食べ物もあり、そして完全に天然の大きな鱒、雨鱒をたっぷりと釣ることができた。少々そのファイト振りは物足りないところもあるが、何といっても60cmから70cmの魚が一日に何匹も、40cm以上の魚はそれこそいくらでもという釣りは、そうそう海外でも経験できない釣りだ。

 また、暖かい日であればドライで阿寒川や釧路川の支流で、ネイティブ化したレインボーが釣れる。3番ロッドあたりで楽しむには最高である。これから、雨鱒釣りの研究がさらに進めば、そのフィールドはどんどん増えると思う。そのときには、その資源を大事にしていく様なルールを釣り人たちも考えて行かなくてはならないと思う。海でエサ釣りで釣れる雨鱒はその食味の悪さからまったく相手にされない点が幸いだ。
今回も、弟子屈の「鱒や」さんに多大な情報と宿を提供して頂いた。
コンディションのよい、アメマス

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