Field note 2003
9.9.Sun. 山梨県大月市 奈良子釣りセンター 
キャッチ&リリースエリア Text & Photo 石川深雪
霧雨 気温20℃

 山梨県大月市の北側に位置する「奈良子釣りセンター」は、葛野川の支流「奈良子川」の清流を利用した釣り場。上流域の渓相は深いV字谷になっていて、鬱蒼とした深い渓流に入り込んだような雰囲気だ。そのエリアでは30cm以上のヤマメやイワナを放していて、釣りあげても魚を流れに戻す「キャッチ&リリース」になっている。自然の渓相を保つことで、魚が野生化し、コンディションのよい魚に育てるための試みでもある。また魚の自然繁殖も目指している。
キャッチ&リリースエリアの入り口。水が澄んでいるので、流れから少し離れてアプローチ
 朝から霧雨が降り続いていた午後、久しぶりにこのエリアを訪れた。途中まではシューズでも行けるのだが、しっかりウェーダーを履いていかないと、遡行できない。透明な水の流れの中には、いくつもの魚影が見える。手前のキャストしやすい流れでは、ドライフライを流すと、下からふわ〜と魚が上がってきて、ちらりとフライを見るとス〜とまだ戻っていった。釣りやすい場所はややスレているようだ。 

 川幅はさほど広くないのだが、対岸のキャストしにくい浅瀬に、フックサイズ10番のころころしたエルクヘアカディスをキャストしてみた。フライが落ちた瞬間にバシャッと大きな水しぶきと、白い魚体が反転する姿が現れた。突然なのと、あまりの豪快さに「うわ〜っ」と感心してしまった。「あ、そうだ合わせなきゃ」と考えている暇があったほど、見事な出方で、しっかりフライをくわえていた。小さな流れなのに、ぐいぐいと引いたのは、32cmのイワナだった。
ヒレがピンと張り、魚体がきれいなイワナ。釣れれば、大抵30cm前後だった
谷が深く、うっそうとした感じ。かなり山奥に入り込んでしまった気になる。
 その後も、釣り上がっていくと、すぐ目の前に瀬の脇を活発にエサをとっている魚がいた。魚のすぐ後ろからだったので、人の気配で逃げられるかなと思いつつ、ホイと大きなドライフライを落とすと、これまたすごい勢いでバシャンとフッキング。28cmのイカツイ顔のヤマメだった。久しぶりに渓流での豪快な釣りが堪能できて、大満足。まるで東北の渓流で釣っているかのような期待感が、たまらなく楽しかった。

 釣り場のキーパーである渡辺さんに話しを聞いたところ、キャッチ&リリースエリアにしてから、魚が強くなり、大雨が降って増水しても魚がちゃんと残るようになったそうだ。下流部には、釣りを始めたばかりの人も楽しめるエリアがあり、キャストやフライの流し方など分からないことがあれば、渡辺さんが親切に教えてくれる。釣りの合間には、囲炉裏のある小屋で暖まることがきるので、寒い季節にはうれしい限りだ。
奈良子釣りセンター
山梨県大月市七保町奈良子10
Tel&Fax 0554-24-7636
1日券4,000円、(女性3,000円)、午後券3,000円
活発にえさをとっていたヤマメ。すぐ後ろからキャストし、一発でフライをくわえた。

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