Field note 2003
6.13.Fri. ~15.Sun 北海道 阿寒湖 Text & Photo 緑川淳
曇り時々雨 水温:13度前後

 北海道のこの季節、なかなか仕事が休めずいけないのだが、今年は短期間だがやっと出かけることができた。
 6月の北海道は2回目だ。この時期、特にアメマスが注目されてからは阿寒湖での釣りが大きく取り上げられ、それに伴って釣り人も増えているようだ。
しかし、湖の釣り、それもモンカゲロウのハッチに大きく左右される釣りなだけに、時期の決定が難しいことになる。

 数年前に出かけたときは、ポツポツとハッチはあったものの、ライズを見つけられず、大鯉1尾という結果で終わった苦い経験がある。
さて今年はと情報を集めると、進みの遅かった春が5月末から一気に進み、まず16番サイズのユスリカのハッチが始まり、湖岸からのウエーディングでライズねらいの釣りが始まったというニュースをキャッチ。
 これはいい情報と喜んで、さっそくユスリカパターンを巻きはじめるためのマテリアルを買いに走り回ることとなった。

しかし最近のパターンで、マテリアルを買いそろえるとこまでは行くのだが、そのあとのタイイングの時間が取れないという事態に今回もなってしまい、
やっとユスリカラーバパターンを10本ばかり巻いて、ドライパターンは巻きためたフライでどうにか間に合わせようということになった。モンカゲは以前巻いたフライがけっこうあった。
 タックルは、6番9フィートロッドと5番8.6フィートロッド、ラインはフローティングとタイプ2までのシンキング。ティペットは今回、買ったまま使っていなかったフロロカーボンを使ってみる。4Xを基本に。。
ボッケのポイント/ここはかなり遠くまで岩盤がありウエーディングできる。はじめてみるとはるか先の釣り人に驚いてしまう
初日最初のアメマスを手にしてよろこびのコンダクター氏
アメマスはいずこ、、、
 この日は朝から雨で、羽田空港もすっかり霧に包まれたような状態であった。いったん飛行機に乗ってしまえば雲の上で晴れていたが、到着した釧路空港もやはりどんよりと濃霧状態。そこからホテル手配のマイクロで一路阿寒湖へ向かう。ホテルに着き、送ってあった荷物を受け取り昼ご飯を食べて、さっそく初日の釣りとなる。

 移動中は降り続いていた雨もいったん止んでくれる。気温はかなり暖かく、ネオプレーンのチェストでは、移動するときに大汗をかいてしまう。まずは、一行10名でボッケ方面へ向けて出発だ。ホテルでの情報では、今ひとつでモンカゲはほとんど出ていないようだった。途中のポイントにも数人のフライマンがいるだけで、低調さを裏付けていた。

 ボッケの桟橋の先にいったん集まりそこからそれぞれポイントを決めてはいる。僕はさらに奥に進みワンドの手前のアシ際に入る。ここはアシ際までは入れるがその先は深くて進めない。そこでちょうどワンド入口の角になっているのを利用して、バックをうまくかわしてキャストしようというもくろみだ。そして着くとすぐに大きな魚の跳ねの音。しかしどうも大きくドボンという音で、鯉ではないかと判断する。

 ウーリーバッガーを付けて水面直下をしばらくトレースしてみるが、反応はない。そして、3時頃だったがユスリカが大量にハッチしはじめ、それに伴ってかなり沖目であるがどう見てもトラウトが水面の餌をとっているようなライズがおこる。期待してフライをユスリカラーバに変えてキャストを続けるが近くに寄ってきてくれず、さらにフライを小さなフラッシュバックのボディーにマラブーテールを付けたアトラクターを付けたりするが、反応無しであった。

 しかし僕の手前に入った今回のツアーコンダクター氏が、だんだんと近づくライズに対して遠投を決めてユスリカドライで見事アメマスの初ヒットを達成する。風で吹き寄せられたミッジクラスターにライズを繰り返す魚だったようだ。しかしあとが続かず、暗くなりかけてどうやらライズが多いボッケの桟橋右手の浅場へ移動してみる。

 ここはかなり沖目まで遠浅のポイントで、季節的には早くから虫のハッチがみられるポイントだ。地熱も高くその影響もあるのかもしれない。そしてそこでもコンダクター氏がヒット。落ち込みのラインに沿ってかなりのライズがある。僕もそのラインに沿ってキャストしはじめるが、いくつもライズがあるにもかかわらずフライが合わないのか、結局ノーヒットで終わってしまう。かなり暗くなっても魚の活動は続いていたが、くやしい思いであった。
一列縦隊の釣り人に次々ヒットしてきた
もう一匹来たのがこのちょっとかわいいアメマス。モンカゲニンフが口元に
なんと、サクラマスが
 この日は、漁協の渡しを利用して、大島へ朝の4時から出発する。朝早く明けるこの時期は早起きが大変だ。しかし釣り人があまり多くないので、なんと我々10人で大きな大島を独占できるそうだ。渡し料金はちょっと高いが、人の少ないポイントへ入れるので有利な作戦だ。大島はそれぞれのコーナーがポイントになり直線状の所はバックが取りにくくなってしまう。船が着いたとこらから次々に入っていき、今日も僕は一番先に入ることにする。

 島の周りを歩いていると鹿の骨などが流れ着いていて、ちょっと関東周辺では経験できないワイルドな自然が見つかる。しばらくは湖面も静かでハッチもないので、アトラクターやウーリーバッガーを引くが反応はない。先に入った人たちがだんだんとこちらに移動してくるので、どこも反応はないようだ。
 そのうちに水面から小さなカゲロウがハッチしはじめる。風にとばされて結構飛んでくるのだが、魚の反応は無い。そして僕の先に入った仲間がワンドの中にライズを見つけ、そこで2匹アメマスをヒットさせる。しかしそれだけであとは低調なまま11時頃になってしまう。

 我々は12時過ぎに迎えに来てもらうことになっているので、場所を変えてもう一がんばりすることになる。船の着いた所近くのコーナーが昼近くに魚が回遊してくるという情報を携帯でもらい、みんなそこへ向かう。ここも結構沖目まで岩盤が張り出していて、立ちこめるポイントだ。そして2番目に着いた僕がキャストして数投目。リトリーブしていたモンカゲニンフがググッと押さえ込まれた瞬間に、ロッドを反射的に立てて合わせると、大きな魚の手応え。あわててラインをリールにしまい込みファイトに入る。

 半分あきらめていたところだったがやっとのヒットで大喜びである。そして魚が近づいてくると銀色に輝く魚体が何度も反転する。あれ、変だなと思っていると、飛んできてくれたコンダクター氏がカメラをのぞきながら、サクラマスだ!と驚きの声を上げる。そしてやっとネットに収まったその魚は、やはり銀ぴかの体高ある立派なサクラマスだった。さて大変である。後に陣取っていたほかのメンバーたちが一斉にボイルし、我先にとキャスティングをはじめる騒ぎとなった。

 サクラマスの写真を撮りさてはじめるかとみれば、僕の左右にぴったりと並び、中にはかなり沖目にさえ出ているものもいたがそのあとの2時間くらいは、次々にみんなにアメマスがヒットしてくれることとなった。フライはモンカゲニンフで、僕のタシロニンフタイプのものからテールにマラブーを付けたアトラクタータイプまで、どのタイプでもヒットしたようだ。この急に降ってわいたヒットラッシュで船の迎えを遅らせることになった。

 その後いったん戻って昼ご飯を漁協で食べてから、夕方のボッケを目指して移動する。しかしこの日の午後、晴れてきてユスリカのハッチがほとんどみられない。今回はボッケの桟橋の左側の浅場に入ったが、横に入った釣り人がマーカーを付けて1尾アメマスをヒットさせる。しかしこちらには反応なし。時たま水面に魚が顔を出すのだが、アメマスなのか鯉なのかはっきりしない。

 モンカゲロウは時々ハッチしているのだが、それに対して魚の気配はないまま終わってしまった。しかし桟橋に入った仲間は、大量のモンカゲのハッチがあり、ドライとニンフでそれぞれヒットさせたそうだ。入った場所とその日の風向きで、かなり状況が変わることを痛感した日だった。
大島に渡船して、やっときた!銀色の魚体に、確かサクラは口が弱いんだったよなと不安になる
どうにかネットに収まってくれ、みんなから祝福を受ける。
しかしこのあとみんなダッシュ!
きれいな魚体、49cmだった
ワカサギのチャミング?
 最終日だ。半日しか釣りができないので、早朝3時に起きて出発する。昨日よかったというボッケの桟橋へ入ることにする。入ってしばらくするとモンカゲロウのハッチが始まり、桟橋の周りでかなりの量のモンカゲロウのダンが水面から飛び立っていく。しかしそれに対してのライズはほとんどみられない。桟橋の右の浅場にウエーディングしている仲間にもヒットなしだ。

 朝から晴れて日差しが強いくらいなので、日中は反応してくれないのか?ダンを水面にうかせて漂わせているのだが、本物にも反応しないのだからやはり偽物のフライにも反応してくれない。そこでニンフに変えて水面下を探ってみるがやはり反応はない。来る前には、モンカゲロウがハッチすれば直ちにライズが起きて、入れ食いになって大騒ぎ、なんて考えがちだが現実はなかなかこうはいかない。川でもカゲロウの羽化が凄いのに魚の反応が全くない時ってけっこうあるものだ。
 
 そんな状況で、コンダクター氏の決断で早めの昼にして最後の課題、最近のはやりとやらのドライワカサギをやることにする。これは、産卵後の死んだワカサギが浮いているのを再現した阿寒湖発の釣り方だが、実際はワカサギ漁の船から落ちたものや網からこぼれたワカサギをねらう居付きのレインボーをターゲットにした釣りが、なんと最近は冷凍ワカサギのチャミング(撒き餌)をして、それといっしょにドライワカサギを流して釣ってしまおうという釣りになっている。

 我々も最初はチャミングに抵抗を感じていたが、最終日にもかかわらず全く魚をみることができないまま終わりそうなので、やってみることにしたのである。漁協で冷凍ワカサギを買いバケツで解凍する。これがなかなかとけないし、早く溶かそうと手で崩すと手がワカサギの脂でべとべとになってしまう。なかなかやっかいな釣りだ。そしてワカサギを桟橋から流しはじめるが、沈んでいくものあり浮いていくものありいろいろだ。そして魚の反応はなかなか無い。

 そこで撒き手がいっぺんにどっと撒くと、これが効いて4,5匹の良い型の魚がまるで鮫かマグロが撒かれた鰯めがけて突進するがごとく現れて来た。それをみて一斉にキャストするがすっかりフライを見破り本物だけにアッタクを繰り返す。また大きなフライのためにキャストしにくく、だんだん流れていくワカサギの帯に届かなくなってしまう。その後何回か魚は出てきたが、やはりフライはしっかりとさけられてしまう。

 そうこうしているうちに時間が来て、今回の阿寒湖釣行が終わりになってしまった。今回は、ユスリカのハッチとモンカゲのハッチに遭遇でき、アメマスの顔も見ることができた。またすばらしいサクラマスもヒットさせることができていい思い出になった釣行であった。日本で、ネイティブの魚をこれだけ釣ることができるフィールドとしての阿寒湖は、やはり凄いと思う。大事にしたいと思いつつ、帰りの飛行機に乗り込んだ。このあと今年は、モンカゲの集中ハッチがあったそうだが、数日で終わってしまったようだ。またサクラマスの魚影が今年は濃いようだ。
夕方桟橋脇で良形のアメマスをヒット。今回コンダク
ター氏は絶好調だった
この桟橋周辺は噴火口もあり、地熱が高い。きっと水生昆虫も早く育つはず
フライフィッシング ツアー「トラウト&キング」
有限会社スペシャリスト(東京都知事登録旅行業第3-5301号)
http://www.troutandking.com/

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